前回から続きまして、
私の大好きなお店のひとつ
「HARBS」での待ち時間で後ろから聞こえてきた
20代ぐらいの若い女性2人のテンション高め、大音量会話から
いろいろと考えたことを、今回は書きたいと思います。
【会話内容】
女性A:「私、パーソナルトレーナーの資格を取ろうと思って」
女性B:「えー!すごいじゃん!!」
女性A:「いやいや、ただヒマなだけよ~。毎日本当にヒマすぎて~。実は資格を取ろうって、もう1年前からずっと言ってて、まだやっていないんだけどね~!!ハハハ~!!」
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彼女たちがどんな背景なのか全く知りませんけど、
ただひとつ、私が心の中つぶやいたこと。
「本当にそうなりたいのなら、資格を取って終わりではないよ」
どこか、「パーソナルトレーナー」という資格を
キラキラにイケてる自分をアピールするための
アクセサリーのように考えているんじゃないのかな?
これは私の憶測にすぎませんが、
会話の雰囲気から私にはそう聞こえましたね。
パーソナルトレーナーに限らず、
ヨガインストラクター
ピラティスインストラクター
ズンバインストラクター
フィットネスインストラクター etc…
世間の流行りも相まって
そのように名乗る人は星の数ほどいます。
そういう私も
多くのフィットネスインストラクターの中のひとりでありますが、
20年この仕事をやってきて思うのは、
「インストラクター」という職業は
一見、とても華々しくてキラキラしているもののように
映るかもしれませんけれども、
多く光が当たり、輝いて見えるのは、
光が当たる部分と同じだけの影があるように
・人目につかないところでどれだけの努力、練習、準備をしているか
・時に「これでいいのか?」と自分自身に疑いの目を向け、自分を客観視して学び続けているのか
・レッスンは「私」が主役ではなく、「お客さん」主体で物事を考えているのか
と言った、これらの「影」の部分をずっと地道にやり続けているからです。
そういう方々は、生き方が本当にカッコいい。
一瞬で目を奪われるほどのカッコイイパフォーマンスも
鍛え上げられたカラダも
人の「憧れ」「見本」「目標」となる上では必要であり、とても大事な要素です。
ただ、普段のレッスンは「コンテスト」ではない。
「どうだ!! 私のカラダ、すごいでしょ!」
「どうだ!! 私のダンス、カッコいいでしょ!」
自分自身の「イケてる姿」をアピールすることがメインの場ではありませんし、
「私についてきて!!」といったような、カリスマ的スタンスだけで全てが成り立つとも限りません。
インストラクターの本質、最終的使命は
「お客さんを楽しませながら、安全・効果的に導いていくこと」です。
誰もが迷うことなく、自然とついてこられるように
インストラクターが参加者を導いていくもの。
主役はインストラクターではない、お客さんです。
人前に立つインストラクターは目立つけれども、
レッスンの先導者であるのと同時に
その役割は参加者が楽しめるようにするための
「引き立て役」でもあります。
インストラクターが人前に立つまでにやるべきことは山のようにあり、
その工程は決して「キラキラ」なんかしていない、地道なことの繰り返しばかりです。
レッスンを構成するのにかかる時間は
私の場合「何分」「何時間」と決まっていることはなく、
結構捗ることもあれば、自分でも心配になってくるほどに時間、日数がかかることもあります。
それはアタマのモヤモヤの中を彷徨う、少々苦しい期間ですね。
なぜそれでも、私はインストラクターを続けるのか?
という問いに対して言えることは、
地道な繰り返しの日々の先に訪れる
一瞬の光がもたらすやりがいや充実感は何にも代え難く、
この感覚を一度でも味わうと辞められないから、ですね。
いつもと同じ日はない、毎回が「ライブ」。
自分がやっていることに対しての反応を、良くも悪くもリアルタイムで感じられる。
この緊張感がインストラクター業の醍醐味、最大の魅力だと思います。
行き詰まり、悩み、思考錯誤しながら歩いてきた20年間。
毎日が違う日。
これからもまだまだいろんなことに出くわすでしょうけど、
いつもレッスンに参加してくださる皆さんや
これまで私を導いてくださった方々に感謝をし、
楽しみながら地道に自分が目指す道を進み続けていきます。