「●●の人はぜひこれをやってみて!!」
といった謳い文句の
ストレッチ動画、エクササイズ動画が
たくさんあります。
「誰でも簡単」
「1日たった●分」
「どこでもできる」
飽きっぽい人間でも
「それならできるかも??」と思わせる
とても魅力的な言葉満載で
アピールされていますけど、
どうでしょう?
せいぜい、1回やってみて
「ふーん」で終わることがほとんどなのでは?
というのが私の考えです。
私は足首が硬くて
かかとをつけてしゃがめないのですが、
以前たまたま
「かかとをつけてしゃがめない人は
ぜひこれをやってみて!」
という動画を見つけて
実際にやってみたのですけど、
結論から言うと、
全くできず不完全燃焼に終わりました。
骨の名前、筋肉の名前を使って
「ここをこうして、ああして・・・」と
解説をしてくれているのですが、
一応、それなりにカラダのことに関して
知識がある私ですら
「言っていることはわかるけど、それ私にはできませんけど?」
そんな感じでした。
骨の名称、筋肉の名称、関節の動き方、等々
私自身は職業柄それなりにわかりますが
実際それらは
誰にでもすぐわかる言葉では決してないし、
解説者が「こうやってみて」と
簡単にやってみせる見本動作ですら
そもそも全くできないということも多々あるのです。
自分ひとりでやろうとすることが
見て簡単に真似られないもの、よくわからないものは
たいてい「ふーん」で終わってしまいます。
私は思うのです。
これが「有料」と「無料」の差だと。
一般の人からしてみれば
筋肉の名前や骨の名前を言われたところで
そうピンとこない。
でも、専門用語のオンパレードで
いろいろ説明している動画はよく見かけます。
「それ、伝わっていると思いますか??」
知識があればあるほど
自分の当たり前として使っている言葉が
すべての人に伝わるわけではない、ということを
いつも頭においておく必要があると思いますね。
実際、
配信している側の考えとしては
そのたった一本の動画で
人が抱える問題をすべて解消できると
思っているわけではなく、
その動画をきっかけに
「私はこういう問題解決ができる人間ですよ」と
世の人に知ってもらうことを
一番の目的としていると思いますが。
人は自分の困りごと解決のために
誰も知らないような
難しい知識を求めているのではなく、
自分ができる範囲の
「どうすれば自分の日常生活が快適になるのか」
ということを一番に求めています。
健康ブームの世の中、
どこにでも溢れている
簡単にできるストレッチ、エクササイズ情報。
でも、とても身近にそれらがあっても
人はやらない、見ていない、知らない、気が付いていない、
字を読まないものです。
以前、ある施設でそこに常設されている
サンプルメニューとよく似た内容で
ストレッチ講座を行ったとき
「そういうことが知りたかった」と言われ、
え??
ずっとそこにあったものですよ?、と
一瞬「!?」と思いましたけどね。
「ああ、私の仕事ってこういうことなんだな」
そう改めて思いました。
対人・無人
リアル・バーチャル
動画・雑誌 等々
今や、自分が興味をもったことに関して
欲しい情報を得るための選択肢はいくらでもあります。
自分が思う「こうしたい」を
本当に何とかしたいと思っているのか、
それとも一時の思いで
喉元過ぎれば熱さを忘れるのか。
手軽に、身近に、安価に
簡単に情報は得られるけれども、
私が思うのは
本当に何とかしたいと願うのであれば
それなりの自分への投資は必要だ、
ということですね。
それが自分に得られる内容の「質」の差、
すなわち
「有料」と「無料」の差です。
「有料級」の無料情報は
それはそれで得られるものがありますけどね、
決して「有料」にはかないませんから。
それが「価値」というものです。